石破総理の施政方針演説では「楽しい日本」「令和の日本列島改造」が話題になりましたが、隠れたポイントは財政規律でした。
施政方針演説から一部を抜粋します(太字は筆者)
「経済あっての財政」の考え方の下、成長率の引き上げに重点を置いた政策運営を行うとともに、歳出・歳入両面の改革を継続し、引き続き財政健全化を目指します。金利のある世界となる中、大災害や有事に備えた財政余力を確保する観点も踏まえ、経済・財政新生計画の枠組みの下、今年の骨太方針において、早期のプライマリーバランス黒字化実現を含め、今後の財政健全化に向けた取組を示します。
今日は総理の施政方針演説に対する代表質問。トップバッターに立ったのは立憲民主党の野田佳彦代表です。
かつて財務相を務めた野田代表が財政問題で石破総理にどのように切り込むのか、注目していました。
石破総理と野田代表はケミストリーが合います。
演説前に我々に配られたのは要旨のみ。野田代表の演説に原稿はありません。
原稿に目を落とさず演説する姿は今回も圧巻でした。野田佳彦氏は、当代一の演説上手です。
しかし、財政論に注目していた私から見ると、演説の中身は全く整合性を欠いたものでした。
国と地方の基礎的財政収支(PB)が2025年度に4.5兆円程度赤字になる見通しとなったことは、政府の信頼を大きく損なった。
総理は「財政健全化の旗は降ろさない」と語ったが、そのための道筋と戦略は見えない。
野田代表は財政問題で厳しく石破総理を攻め立てましたが、具体論では財政支出を伴う政策を並べたてました。
ガソリン税の上乗せ税率の廃止
中小企業の社会保険料負担の軽減
学校給食の無償化
高校授業料の無償化
地震被害者に対する災害支援金の倍増
立憲民主党が求める新たな財政負担はどこまで膨らむのでしょうか。立憲民主党の方が税制健全化への道筋は全く見えません。
日本維新の会の前原誠司共同代表も質問に立ちました。
給食費の無償化
高校の無償化
大学改革を前提とした高等教育の無償化
金融資産のある高齢者の負担増などの社会保険料改革
歳出増と改革による歳出減を組み合わせた提案は、立憲民主党と比較すると整合性があるように感じました。
維新に対しては、自民党内に予算案に賛成してくれるのではないかと期待する声がある一方で、維新がまとまって行動できるのか疑問の声もあります。
私が連携を期待する国民民主党の代表質問は明日です。
当然、103万円の壁とガソリンの暫定税率の問題を強く訴えてくるでしょう。
その時、自民党の雰囲気と総理の答弁はどういったものになるか。私は何とか接点を見出していきたいと思っています。
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